MIRAI Office in Sweden

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FemTech・ダイバーシティ・オープンネス

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時代はフィンテックからFemTechへ

少し前までは馴染みのなかった「フィンテック(FinTech:IT技術を使った新しい金融サービス)」という言葉も様々なところで使われることが増えたが、スウェーデンでは次のバスワードとして「FemTech」が出てきた。

女性の社会進出については5歩も10歩も日本の先を行っている感のあるスウェーデンだが、エンジニアやスタートアップ創業者の間で女性の占める割合はまだまだ低い。様々なサービスがアジャイル開発されインターネットで提供される今日、ソフトウェア・エンジニアリング、サイトデザイン、ユーザビリティ等の局面で女性視点が重要となってくるのは誰の目にも明らか。

FemTech Entrepreneur Stories

9月頭にストックホルムのスタートアップのコーワーキング・スペースSup46で、万を期して開催された女性オンリーのイベント「SUP46 FemTech Entrepreneur Stories」もそんな流れを受け、女性のスタートアップ魂に火をつけようという催し。

会場では、Kingのシニア・エンジニアリング・ダイレクターや、Happy TailPeppy Palsといったスタートアップの創業者達の話に満席の参加者からの熱心な質問が相次いだ。このイベントは好評だったため今月末の開催も決定しており、今後も定着していくだろう。

ダイバーシティ・オープンネス

もう一つの新しい流れとして、北欧のアクセレレーターで特に海外からの参加者が目立ってきている。ヘルシンボリのThinkのこの秋シーズン・バッチの参加6社の創業者の国籍はドイツ、アイスランド、デンマーク、オランダ、アメリカそしてスウェーデンと多彩。

デジタル・ヘルスにフォーカスしたルンドのアクセレレーター、Healthy Habitsも、将来的にスウェーデンで起業することを一定の条件として、コーチングと資金提供の機会を広く世界に向けて約束している。

肩肘張らずに軽くすべてを越えていく

Gulnaz Khusainova Gulnaz Khusainova

先日マルメのMincで、自らの創業体験のラーニングをシェアしてくれたGulnaz Khusainovaは、若干25歳にして現在立ち上げ3社目のEasySizeで躍進中。

出身地ロシア・モスクワで立ち上げた2社の失敗経験を活かして、デンマーク・コペンハーゲンに舞台を移しオープンな環境の中で大きく飛躍しようとしている。

伸びやかでタフ。更に頭の良さに素直さを併せ持った彼女の話は、非常に示唆に富み学ぶところが多かった。肩に力に入れずにジェンダーも年齢も国籍も専門も(彼女はエンジニアではないテック企業創業者)軽々と飛び越えて進んでいく。そんな時代のスタートアップを象徴して輝いていた。

© Hiromi Blomberg 2020

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